中野税理士法人

マンションの相続税評価の見直し

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マンションの相続税評価の見直し

マンションの相続税評価の見直し

2023/07/12

みなさんこんは。福岡相続対策センタ-の中野です。

対象となるマンション一室の評価は、まずは、現行の相続税評価を行います。

土地は路線価をベースに、敷地の持分を乗じたもの、建物は固定資産税評価額がベースとなります。

これらを合計したマンション一室の評価額を、補正していくことになります。

 

具体的な算式は、次のようになります。

現行の相続税評価額 × 当該マンション一室の評価乖離率× 最低評価水準0.6(定数)

評価乖離率とは、時価が相続税評価額の何倍になっているかの数値です。

 

たとえば、時価が5,000万円で、相続税評価額が2,000万円の場合は、5,000÷2,000= 2.5 の評価乖離率ということになります。

 

この評価乖離率は、売買実例等に基づいて、統計的手法により、今回、計算されています。

時価と相続税評価額が乖離する要因として、

「築年数」、「総階数」、「所在階」、「敷地持分狭小度」の4つが取り上げられています。

前3つはわかるかと思いますが、「敷地持分狭小度」は、その一室に係る敷地利用権の面積 ÷ その一室に係る専有面積マンション一室の床面積に対する敷地持分面積の割合、ということです。

 

さて、評価乖離率を出す計算式は次のとおりとなりますが、各要素に乗じたりする数値は、統計的手法により出されたものなので、国税庁HPなどで自動計算できるようにするようです。

 

<評価乖離率の計算方法>

 次の(1)から(4)までを合計した値

 (1)建物築年数×0.033

 (2)総階数÷33×0.239

 (3)所在階×0.018

 (4)敷地持分狭小度×1.195+3.220

 

(2)で、総階数を33で割った数値が1.0を超える場合は、1.0とします。すなわち、33階以上は33階と同じということになります。

 

なお、評価乖離率が1.67以下の場合は、現行の相続税評価額のままとします。

すなわち、100÷1.6760 で、時価の60%以上の評価になっているのであれば、そのままでOKということです。

 

さらに、評価乖離率が1.0未満となる場合(すなわち相続税評価額が時価より高い場合)は、相続税評価額に乖離率を掛けて、時価に補正することになります。

 

 

評価乖離率は上記のとおりに出すのですが、もう一度マンション一室の評価方法を、掲示します。

現行の相続税評価額 × 当該マンション一室の評価乖離率× 最低評価水準0.6(定数)

 

この算式によると、現行の相続税評価額に評価乖離率を乗じた上で、0.6を掛けています。

 

これは、評価乖離率を乗ずることによって、時価を算出し、その60%を相続税評価額にする、ということです。

 

この60%というのは、戸建ての時価に対する相続税評価額の平均です。

 

マンションの評価を見直すにしても、戸建ての評価額とバランスを取らないと、今度は戸建の方に節税志向が向いてしまいます。マンションの市場価格にも影響してしまいます。

 

そこで60%を掛け、戸建てとのバランスを取っているわけです。

以上、少し難解なところもありますが、今後通達案が作られ、パブリックコメントを経て、来年令和6年1月以後の相続、贈与から改正されそうです。

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