中野税理士法人

弔慰金を節税策として 有効活用

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弔慰金を節税策として 有効活用

弔慰金を節税策として 有効活用

2023/04/17

みなさんこんにちは。福岡相続対策センタ-の中野です。

退職金と相違し、弔慰金は法人の在任・在職時に死亡した際にしか支給できないわけですが、一方で在任・在職時に死亡するリスクをヘッジする方法です。

死亡退職による弔慰金が節税になるのは、
・支給した弔慰金は法人の損金になる(適正額以内)
・弔慰金を受け取った遺族は相続税の課税対象外
というもので、(出張)日当と同じく、支給した方は損金で、受け取った方は非課税という王道の節税です。

では、役員が死亡した際に支給する弔慰金が節税になる場合について、ケース別に考えてみましょう。

●退職金を上積み支給したい場合

役員退職金の支給は「最終月額報酬×在任年数×功績倍率」を上限とすることが一般的ですが、法人において役員の死亡保険等に加入している場合などは、死亡退職金をさらに「上積んで」支給したいという動機が大きくなります。

ここで退職金を上積む理由・根拠として「功労加算」を考えがちなのですが、功労金は功績倍率に含まれる概念で、極めて特殊な事情がある場合に限って認められる=ほとんどのケースでは認められません。

退職金を何とか上積みしたい=法人の損金を増やしたいと考えるのであれば、(死亡退職の場合は)功労加算のようなリスクある方法ではなく、弔慰金を支給することを検討すべきでしょう。


●退職金の一部を弔慰金に振り替える場合

上記は保険金など当て込む益金、もしくは法人に留保が多額にある場合ですが、キャッシュリッチではない法人であっても弔慰金は考慮すべき節税策になります。

死亡退職金はみなし相続財産となり、非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」ですから、超えた額が相続税の課税対象額となるわけです。

例えば、最終月額報酬80万円×在任年数20年×3倍=4,800万円が最大に支給できる退職金ではあるが、法人の資金繰り上3,000万円しか支給できない場合、法定相続人を2人と仮定すれば、2,000万円が相続税の課税対象額に繰り入れられますが(3,000万円-500万円×2人)、
同じ総支給額3,000万円であっても内訳を

・弔慰金(業務外死亡):80万円×6ヵ月=480万円
・死亡退職金:2,520万円

とすれば、相続税の課税対象額は確実に下がります。


●実質的に引退している創業者に支給する場合
創業者など、実質的に引退(分掌変更の退職金支給済み)していても、代表権のない会長職として役員報酬を払い続けていれば、弔慰金を支給することができます。

特に創業者の場合、同族会社株式を保有しているなど相続税がかからないということはないでしょうから、せめて弔慰金を支給することで節税したいところです。

死亡退職による弔慰金の支給は、退職金の上乗せと考えられがちですが、ほとんどの法人で設定すべき節税策と考えるべきでしょう。

また、社長などの死亡リスクヘッジ策として、法人保険は当然ながら団信加入などが考慮されがち
ですが、弔慰金も含めて考えるべきです。




 

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